11月に行われる宮中行事「新嘗(にいなめ)祭」で、献穀者に選ばれた福島県泉崎村の木野内悟さん(54)=きのうちライスファーム社長=は、同村関和久の水田で献上する新米を収穫している。木野内さんは「とても光栄なこと。社員一丸となって一生懸命コメを作った」と笑顔を見せた。
村によると、同村から献穀者に選ばれるのは、38年ぶり2人目という。木野内さんは今春、コメを作付けした後に、村を通じて推薦を受けた。県オリジナル品種「天のつぶ」を納める。
同社は約54ヘクタールの水田を管理。このうちの約16ヘクタールで、天のつぶを栽培している。阿武隈川から直接引いた良質な水を利用しており、夏の猛暑で高温障害の不安があったものの、今年の出来栄えは「水や土壌の管理を徹底して、高品質なコメを作ることができた。例年並みに豊作だ」という。
木野内さんは新嘗祭に先立ち21日、皇居で行われる献穀献納式に妻和子さん(54)、箭内憲勝村長と共に出席、天のつぶの新米5合を献上する。