東日本台風で甚大な被害を受けた阿武隈川の緊急治水対策として、国土交通省が鏡石、矢吹、玉川の3町村に整備を進めている遊水地区域内でのコメの試験栽培を巡り、収穫された本年産米を国が分析した結果、品質に影響がなかったことが15日、国交省への取材で分かった。コメは3町村に約630キロずつ贈られ、同日は鏡石町の小中学校の学校給食で使われた。
試験栽培は、遊水地を整備するため掘り下げた土地でもコメの品質や収穫量に影響がないかを確かめる目的で、本年度初めて行われた。国交省によると、コメは約2500キロ収穫された。食味分析計で計測したり、国の担当者や外部の食味専門機関などが試食したりして品質を確かめたという。
このうち鏡石町の鏡石一小では早速、白いご飯がおかずとともに提供され、児童たちが味わった。4年生の女子児童は「甘くて、もちもちしていて、おいしかった」と笑顔を見せた。
国交省は2027年ごろまで試験栽培を続け、生育への影響などのデータを集める方針だ。