会津美里町の伊佐須美神社は14日、2030年の再建を目指す社殿の完成予想図を示した。新しい社殿は本殿と幣殿、拝殿で構成する。室町時代以降、継承されてきた社殿様式を引き継ぎ、多くの参拝者が昇殿できるよう二重型拝殿とする。拝殿前にスロープを設置してバリアフリー構造とし、積雪対策を取ることなども目指す。
会津若松市で開いた御再建奉賛会の役員会で、沼沢文彦宮司が発表した。完成予想図は竹中工務店(大阪府)が協力。設計や施工については今後、業者を決める。役員会には理事約30人が出席。会津松平家14代当主で会長の松平保久さんが「皆さんの力をお借りし、奉賛事業を進めていきたい」と協力を求めた。奉賛会は今年から、電子決済による資金協力も呼びかけている。
同神社は「会津総鎮守」として高い格式を持つ会津のシンボル。08年に本殿、神楽殿、神饌所(しんせんじょ)などが全焼し、現在は仮社殿が建てられている。創建1470年に当たる30年中に新社殿の完成を目指している。その後、神饌所や神楽殿を再建したり、境内を整備したりする予定。奉賛会は現在、再建や境内整備に必要とされる事業費8億円のうち、5億円の浄財を募ることを目標に活動している。役員会には福島民友新聞社から野崎広一郎社長が出席した。
