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広野町長に新人・小松和真氏 321票差で現職破り初当選

2025/11/24 07:45

万歳三唱して初当選を喜ぶ小松氏。左は妻直美さん

 任期満了に伴う広野町長選は23日、投票が行われ、即日開票の結果、新人で元町復興企画課長の小松和真氏(57)=無所属=が1534票を獲得し、現職の遠藤智氏(64)=無所属、3期=に321票差をつけて初当選を果たした。任期は12月9日から4年。

 8年ぶりの選挙戦は東京電力福島第1原発事故からの復興を担うかじ取り役を選ぶ争いとなった。小松氏は町職員としての実務経験をアピール。町職員の意識改革や農業振興につながる企業誘致など現職との政策の違いを強調、町政刷新を訴えて支持を広げた。

 投票率は73.28%で、8年前の前々回を4.30ポイント下回り過去最低を更新した。当日有権者数は3788人(男性1986人、女性1802人)。当選証書付与式は24日、町役場で行われる。

◇広野町長選開票結果(選管最終、敬称略)
当1,534 小松 和真 無新
 1,213 遠藤  智 無現

 町政改革、支持集める

 【戦いの跡】現職と新人の一騎打ちで8年ぶりの選挙戦となった広野町長選。明確な争点はなく、復興のかじ取り役を選ぶ選挙だった。町を二分する激戦の末、有権者は町政改革を訴えた新人で元町復興企画課長の小松和真氏を選んだ。

 小松氏は町職員の実務経験をアピールし、現職とは違う施策で町政に新風を吹かせると訴えて支持を集めた。一方、現職の遠藤智氏は3期12年の実績を強調して町政の課題を踏まえた公約を掲げたが、一部支持者が小松氏支援に回るなど組織をまとめ切れなかった。

 全町避難を経験した町は早期帰還の判断により帰還率が9割を超える。このため復興のステージはまちづくりや産業振興といった次の段階に進んでいる。JR広野駅周辺整備など復興策の前進に加え、一大産業である広野火発の1~4号機跡地活用など新たな課題もある。小松氏には町民の負託に応え、復興をより実感できる町政運営が求められる。

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