「県郡山合同庁舎の郡山市文化財指定を求める会」は、移転後の現庁舎の利活用案として3案を発表した。郡山の歴史や文化を発信するための機能を備え、関係者は「市民の関心を高めたい」としている。
案は顧問で1級建築士の浜尾博文さん、代表世話人の安藤智重さんと庄司一幸さんがそれぞれにまとめた。音楽ホールやレストラン、ミニシアター、ミュージアムカフェなどを提案し、観光施設や楽都郡山のメモリアルホールなどとしての活用を想定。同市出身の俳優西田敏行さん、歴史学者朝河貫一、同庁舎でロケが行われた三島由紀夫の生涯を描いた映画「MISHIMA」の関連品を展示する場所も盛り込んでいる。
求める会は19日に記者会見を開き、利活用案を発表した。同席した日大工学部の速水清孝教授が「戦災のあった郡山に残る数少ない昭和戦前期の都市を代表するランドマーク」と建物の保存の意義を語った。
求める会は市に活用案を伝えた。椎根健雄市長は21日の定例記者会見で今後の対応について「歴史的建造物で市民から愛されている。県とコミュニケーションを取りながら、検討していく」と述べた。
同庁舎は施設の老朽化などから、県が同市のビッグパレットふくしま北側への移転新築工事を進めている。新庁舎への機能移転は来夏ごろの予定。
