福島県は27日、会津若松、喜多方、会津坂下、湯川、柳津、会津美里の6市町村を対象とした広域路線バスの全10路線を再編、見直す案を示した。高校や病院など移動需要の高い施設を経由する路線への変更やダイヤを調整する。効率的な運行や一定の利用が見込めるように改善し、バスの持続性や生産性向上につなげる。
同日、会津若松市で開かれた会津圏域公共交通活性化協議会で説明した。来年度から2031年までの6年間を計画期間とする会津圏域地域公共交通計画の素案に盛り込んだ。
対象路線と再編、見直し案は【表】の通り。来年4月から段階的に実施する予定。このうち一部路線は、利用実態に応じて利用が少ない区間の経路を短縮し、コミュニティーバスなどの地域内交通で補う。
12月にパブリックコメント(意見公募)を行い、来年1月末の協議会を経て正式決定する予定。その後、具体的な内容を盛り込んだ利便増進実施計画を策定。国からの認定後、補助金が交付される。
圏域内の地域公共交通を巡っては、一部高校や病院への利便性の低下、県立高校の統廃合による通学需要への対応、乗務員不足などが課題となっている。また国の特例が終了した場合、利用者減少などで補助対象外となる恐れもあり、今後も補助金を活用し、地方自治体の財政負担を抑えながら路線バスを維持することが必要となっている。
素案には、会津若松市の神明通りにバス待ち環境や駐輪場を確保する方針も盛り込まれた。バスで神明通りに来た高校生が自転車で市街地に点在する高校に通学できる環境を整備する。
