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教諭の残業、香川県に賠償命令 「初判断」専門家評価

2025/05/28 17:36

 元高松市立中教諭に違法な残業をさせたとして香川県に賠償を命じた高松地裁

 労働基準法に反する時間外労働(残業)をさせられたとして、元高松市立中教諭の男性(67)が香川県に損害賠償を求めた訴訟の判決で、高松地裁が3月、計5万円の支払いを命じていたことが28日、分かった。校長は勤務時間が大幅に増えると認識しながら別日への割り振りを怠ったほか、生徒の合宿に同行した教諭に休憩時間を与えなかったと認定。労基法に基づく義務を果たさなかった結果、肉体的・精神的苦痛を与えたとした。

 教員の働き方に詳しい大阪大の高橋哲准教授は「公立校教員の残業について労基法違反での賠償責任を認めた判決は初めて」としている。

 訴訟で県側は、教員は命じられた業務と自主的な業務が混然一体となっており、校長が労働時間を的確に把握するのは不可能だと主張した。3月25日の判決で田中一隆裁判長は、校長の指揮命令に従って業務に従事する合宿の引率などは時間の管理が容易で、賠償責任を限定的に捉える必要はないとして退けた。

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