内閣府は3日、電子カルテや薬の処方、健康診断といった医療データを連結させ、有効な治療法の研究や創薬などへ活用するための検討会を設置した。医療情報をビッグデータとして、患者本人の治療以外にも幅広く二次利用できる制度やデータベースの在り方などの具体化を進める。
この日の初会合で、城内実科学技術担当相は「医学、医療のイノベーションの成果を国民、患者に還元できるよう、率直な議論をしてほしい」と述べた。事務局の内閣府は、研究者や企業がビッグデータを分析し、医療の質の向上や効率化などにつなげることの重要性を指摘。患者の個人情報保護とのバランスを取る必要があるとの考えを示した。
今後、医療ビッグデータの活用が進む欧州の制度を参考に、取り扱うデータの範囲や収集方法、患者同意の仕組み、データベースなど環境整備の進め方を議論する。
今後、関係する団体や人工知能(AI)、ゲノム(全遺伝情報)の研究者らから意見を聞いた上で、12月をめどに中間的に議論をまとめ、来夏にも最終整理を行う。