ロシア・カムチャツカ半島付近で7月30日朝に巨大地震が起きた際、和歌山県白浜町の海水浴場で遊泳客ら海にいた69人全員が、津波注意報の呼びかけから2分50秒で砂浜に上がる迅速な行動を取っていたことが11日、佐藤翔輔・東北大災害科学国際研究所准教授(災害情報学)らの研究で分かった。高台に設置している共同通信の定点カメラ映像を分析した。ただ砂浜では、テント撤収やシャワー利用などで避難が遅れ、一時的に砂浜から全ての人がいなくなったのは12分後だった。
海水浴場の動向が詳細に分かり、津波避難対策にも役立つ貴重な調査だ。白浜町は、南海トラフ巨大地震で1メートルの津波が最短3分で到達する想定の地域もある。佐藤准教授は「海からすぐに退避しており、想定にも間に合う行動」と評価した。
しかし、砂浜は滞留しがちで、テントを片付けるために再び戻った人も。佐藤准教授は「砂浜からもすぐに退避する必要があり、砂浜の行動を改善する課題が得られた。一目散に、安全な場所へ向かうように事前の啓発が必要」と強調した。