厚生労働省と神戸市は16日、アフリカ・コンゴ(旧ザイール)を中心に広がる感染症エムポックス(サル痘)で、「クレード1b」と呼ばれる型の感染者が国内で初めて確認されたと発表した。アフリカ渡航歴のある20代女性で、発疹や発熱などの症状があったが、状態は安定しているという。
神戸市によると、女性は同市滞在中に発疹などの症状が出て12日に市内の医療機関を受診。翌13日に感染が判明した。入院はせず、周囲に濃厚接触者や同様の症状がある人はいない。市は「感染が広がるような状況にはない」としている。
この感染症はエムポックスウイルスが原因で、性的接触など皮膚への接触で感染する例が多い。国内での初確認は2022年7月で、今月12日時点で254人の感染が判明していたが、いずれも今回とは別の「クレード2」と呼ばれる型だった。
当初、クレード1は、2に比べ重症化リスクが高いとみられたが、型ごとに大きな差はないことが分かり、適切な治療やケアで致死率は1%以下になるとの報告もある。