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野党、所感内容に評価分かれる 「意義ある」「反省ない」

2025/10/10 21:05

 戦後80年に合わせた先の大戦に関する「内閣総理大臣所感」を発表する石破首相。政治が軍事に優越する「文民統制」の重要性を強調した=10日午後、首相官邸

 石破茂首相の戦後80年所感発表を受け10日、野党からは「戦争に至った体制の問題が洞察されたのは新しい。一定の意義がある」(国民民主党の玉木雄一郎代表)と評価する声が上がった。一方で「侵略戦争と植民地支配に対する反省が全く述べられていない」(共産党の田村智子委員長)との批判も出た。

 玉木氏は記者団に「首相は極端な方向に行きがちな民意や、それを受けた政治の在り方に戒めを促したいのだと感じた」と指摘。「政治家もメディアも、歴史に謙虚に向き合うことが必要と思い出させる」と強調した。

 田村氏は「天皇の絶対的な権力による専制政治を不問にしていると、何の教訓も引き出すことはできない」と断じた。

 立憲民主党の安住淳幹事長は「戦後、戦前の総括をするのは決して悪いことではない」とする一方、公明党の連立離脱表明と日程が重なったことを「マネジメントとして疑問だ」と皮肉った。

 日本維新の会の藤田文武共同代表も、発表の時期と形式を疑問視。「閣議決定を経ず、非公式か公式かよくわからないような形で出すのはどうなのか」と語った。

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