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裁判記録の保存「検証し継続を」 神戸児童殺傷事件の遺族

2025/10/13 15:21

 取材に応じる土師守さん

 重要事件の裁判記録が全国で廃棄された問題で、制度運用が見直された昨年1月30日から同年末までに、3115件の記録が事実上の永久保存に当たる「特別保存」に認定された。見直し前を千件近く上回った。この状況について、1997年の神戸連続児童殺傷事件で次男を亡くした土師守さん(69)が13日までに取材に応じ、「やっと正常に戻った。裁判所は検証しつつ継続してほしい。政府は今後の記録を保管するための施設を確保すべきだ」と訴えた。

 当時14歳だった男性が、11歳だった土師さんの次男淳さんを殺害した事件。この記録を神戸家裁が廃棄していたことが2022年10月に発覚した。ほかの少年事件の記録廃棄も次々判明し、最高裁が記録保存の基準を見直すきっかけとなった。

 新基準の運用が始まり、特別保存の認定件数が急増していることには「このまま基準を守って続けてほしい」と評価。

 一方で「保管スペースを担保しなければ実効性を伴わない。事件記録は財産であり歴史。何百年か先に検証することができるよう、政府が施設を準備すべきだ」と要望した。

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