日銀の氷見野良三副総裁は21日、国際政治や貿易、エネルギー問題などさまざまなリスクをテーマに有識者らが議論する国際会議で講演した。2008年のリーマン・ショックが世界的な景気後退につながったことを挙げ「危機は国境を越えて急速に広がる」と指摘した。「世界が様変わりしている」とも述べ、金融の健全性を確保する国際基準の刷新を訴えた。
リーマン・ショックのような危機の再発を防ぐために新たな銀行規制が定められたが、近年は規制の対象とならない銀行以外の「ノンバンク」と呼ばれる金融機関による融資が目立ち、対応が求められている。氷見野氏は、金融システムの強靱化を図ることが重要だとの認識を示した。