【キーウ共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナの最激戦地、東部ドネツク州の要衝ポクロウシクを巡る戦闘で、ウクライナ軍の劣勢が鮮明になっている。1年以上攻防が続き、ロシア軍が今夏以降、人的損失をいとわず猛攻を仕掛け、防衛線を突破。現在、両軍の戦力差は8対1とされる。
ロシアはドンバス地域(ルハンスク、ドネツク両州)の割譲を和平条件としており、ほぼ全域を支配するルハンスク州に続き、ドネツク州の制圧を急いでいる。ポクロウシク掌握を足掛かりに、クラマトルスクやスラビャンスクなどドネツク州の主要都市の制圧を目指す考えとみられる。
ポクロウシクを巡る戦闘は2024年夏ごろから激しくなり、今年7月に一度押し返したものの、ロシアは少人数の歩兵を数人のグループに分けて複数の前線で突撃を図る「千の切り傷」戦術に移行。現在、市内では最大250人のロシア兵が活動し、ウクライナ軍は無人機で応戦している。
ウクライナ軍部隊の報道官は「補給路が激しい砲撃を受け、防戦が続いている。撤退も困難な状況になるかもしれない」と語った。
