木原稔官房長官は29日の記者会見で、クマによる被害の深刻化を受け、30日に開催を予定していた関係省庁の連絡会議を閣僚会議に格上げすると発表した。これまで連絡会議は、警察庁や農林水産省、国土交通省、環境省、林野庁の5省庁で構成されていた。新たに文部科学、防衛、総務3省を追加する。「従来の対策パッケージでは想定し得なかった包括的、機動的な対応が求められる」と説明し、政府一体での支援態勢の構築を図る考えを示した。
2025年度のクマ被害による死者が11人に上り、国民の安全と安心を脅かす深刻な事態だと指摘。木原氏を閣僚会議の議長とし「対応のスピードと実効性を一層高め、総力を挙げて取り組む」と強調した。
文科省は、クマに対応した学校内の安全管理や登下校の留意点をまとめ、近く全国の教育委員会に通知する方針。「ごみ集積所の鍵をかけ、ふたを閉める」といった、クマの出没が多い北海道や秋田県、岩手県などの取り組みを紹介。学校が防犯や防災のために定める「学校危機管理マニュアル」に盛り込むよう促す。
