2020~24年度の5年間で高病原性鳥インフルエンザが発生し、殺処分などの防疫措置に従事した37道県のうち20県で職員から心身の不調を訴える相談があったことが8日、共同通信の調査で分かった。休職や骨折の事例もあった。感染拡大防止には早期対応が必要だが、実務を担う職員が疲弊している実態が浮かんだ。全国知事会は自治体の負担が大きいとして国が関与を強化する防疫体制見直しを要請しており、対応が求められそうだ。
調査は鳥インフルが養鶏場などで発生し、職員が防疫措置に従事した37道県に実施。職員からの相談の有無や内容、心身の健康を守るための対応方法、防疫措置を巡る課題を尋ねた。相談は20県が「あった」と回答し、15道県が「なかった」、2県が不明とした。
相談や訴えの内容には、防疫措置に従事した職員が発熱やせき、頭痛、不眠、食欲不振、「現場の光景を思い出して涙が出る」といった、身体的・心理的症状を訴えるものが見られた。精神科を受診し休職したケースや、ふん清掃時のガスで体調不良などの事例もあった。
