【ロンドン共同】英BBC放送は9日、昨年11月の米大統領選直前に放送した番組のトランプ大統領が演説する場面で視聴者に誤解を与えるような編集があったとして、ティム・デイビー会長が引責辞任すると明らかにした。2021年の米議会襲撃事件をトランプ氏が扇動したと印象付けるような恣意的な編集があったと英メディアが報じ、批判が強まっていた。
デイビー氏は声明で「いくつかの誤りがあり、会長として最終的な責任を取らなければならない」と表明した。辞任時期は未定。ニュース部門の最高経営責任者(CEO)も辞任を発表した。
BBCの内部文書を基に報じたテレグラフ紙によると、トランプ氏は演説で「われわれは議会へ向かう」と呼びかけた後、実際には「平和に、愛国的に皆さんの声を届ける」と述べていたが、映像では「そして死に物狂いで闘うのだ」と続くように編集された。
実際には約1時間後に話した場面だったが、切り取って使用していた。内部から「視聴者に誤解を与える」と強い懸念の声が上がっていたが、BBC幹部は取り合わなかったという。
