岡山県倉敷市の大原美術館が所蔵する代表的な作品で、スペインの巨匠エル・グレコ(1541~1614年)が描いた「受胎告知」の修復が完了した。12月21日まで再展示されている。日本ではなじみが薄い絵画の修復過程も解説。66年ぶりの作業を作品とともに詳しく示している。
スペイン・プラド美術館の絵画修復士を招聘、7月中旬から約1カ月作業した。全体の色彩が明るくなり、下地層を見せて奥行きを出すエル・グレコ特有の技法が分かりやすくなったという。
作品と同じ部屋には、修復前と途中の高精細複製画も配置。実物と同一サイズで、色彩や質感まで再現した。作業を撮影した動画を流すモニター、詳細を記した解説パネルもある。
