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クマ撃退装置「ウルフ」に注目 見た目によらぬ効果期待、北海道

2025/11/19 08:44

 赤外線センサーで動物を感知すると、大音量と光で追い払う撃退装置「モンスターウルフ」=13日、北海道奈井江町

 クマ被害が深刻化する中、オオカミに似せたユニークな撃退装置「モンスターウルフ」が注目を集めている。一見「子供だまし」のような見た目だが、大音量と発光ダイオード(LED)による撃退効果への期待から、最近は問い合わせが3倍に増えた。開発した北海道奈井江町の会社は「クマが近寄らないことには自信がある」と話す。

 「おまえだけは許さない」「ワーオーン」。赤外線センサーで近くに動物を感知すると、オオカミを模した頭が左右に動いて、目が赤く、前後のLEDが青く点滅する。音は動物が嫌がる鳴き声やセリフを約50種類集め、慣れさせないようにランダムに回す。音量は車のクラクションと同じくらい。フリー素材や人工知能(AI)で作った音だ。金属加工業太田精器の太田裕治社長(67)は「クマは単独行動で警戒心が強い。大きい音がすると何かいると思って近づかなくなる」とみる。

 約20年前から自社オリジナルの製品開発を目指し、ウルフは2016年に完成したが、害獣対策は電気柵が主流で、売り込んでも姿や形から「ばかばかしい」と鼻で笑われたという。

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