福島県商工信用組合(同県郡山市)は21日、元職員の男性が、無断で顧客名義の口座を開設して不正融資し、一部を取引先に貸し付けていたと発表した。当時の経営陣は不正を把握しながら隠蔽していた。不正があった資金の累計額は約2744万円だった。
同組合によると、元職員は2016年1~7月、不正開設した5口座に計1140万円を融資。うち2口座から300万円を取引先に貸し付けていた。内部で発覚後、組合は流出した資金を全額回収し、口座も解約したが、金融庁などへの報告をしていなかった。
元職員は発覚当時、不正行為について「ノルマ達成などのためで、個人で着服はしていない」と説明したという。
