名探偵・金田一耕助シリーズで知られる推理作家横溝正史が戦時中に疎開し、作品の舞台にもなった岡山県倉敷市真備町地区などで22日、登場人物に仮装してゆかりの地を練り歩くイベントが開かれた。ソフト帽に羽織はかま姿でおなじみの「金田一スタイル」や「犬神家の一族」の佐清さながらの白いマスク姿の人など、全国から約140人が参加した。
「1000人の金田一耕助」と銘打ったイベントで参加者らは、金田一が小説で初登場するJR清音駅(同県総社市)を出発し、作品に関係する場所を巡った。殺人事件の「被害者」と「加害者」が入り交じる中、笑顔で練り歩きながら金田一ファン同士の交流を深めた。
イベントは倉敷市などの実行委員会が2009年から実施し、今回で15回目。道中では地元の住民らが作中の一場面を寸劇で再現し、大阪市から参加した会社員石谷智美さん(35)は「同じ作品が好きな人がこんなにそろうことはなかなかない。町ぐるみで披露してくれる寸劇が毎回の楽しみ」と満足そうだった。
