ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンを16歳までに接種すると、子宮頸がんの発症リスクが80%下がるとの結果を、国際的非営利団体「コクラン」のチームが24日発表した。性交渉で感染する前の年代で接種を受けることで、感染やがんの前段階に当たる病変だけでなく、がん自体を防ぐ効果を、多数の研究のデータをまとめて再解析する信頼性の高い手法で示した。
安全性については、立ちくらみなどが特徴の体位性頻脈症候群、強い疲労感が続く筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)、まひ、早発閉経、不妊など交流サイト(SNS)で接種との関連が言及される病気に着目。解析では、これらのリスク増加と接種に関連はみられなかった。
チームは、昨年9月までに世界で発表された225の研究、約1億3200万人分のデータを評価。子宮頸がんのリスク低下とともに、がんの手前に当たる病変が生じるリスクも、16歳以下で接種すると74%低下することを示した。
子宮頸がんは日本で年に約1万1千人が診断され、約3千人が死亡する。
