【サマルカンド共同】野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の締約国は27日の委員会で、ニホンウナギを含むウナギ全種を規制するとした欧州連合(EU)の提案を否決した。日本は反対し、否決に向けた動きを主導した。12月5日に全体会合があり、正式に不採択が決まる見通しだ。
採決は反対が100に上り、賛成の35を大きく上回った。棄権は8だった。日本は世界最大のウナギ消費国で、供給の7割を中国などからの輸入に頼る。採択になれば取引時に輸出国が許可書を発行することになり、事務負担の増加や物流の停滞で価格が上昇する恐れがあった。
委員会はウズベキスタンのサマルカンドで開かれた。EUはかつて日本で流通し、既に規制対象となったヨーロッパウナギが、他のウナギと見分けがつかずに違法取引されていると主張。ニホンウナギは資源量が著しく減っているとも訴え、全種を輸出国の許可が必要な「付属書2」に掲載するよう提案していた。
反対する日本は、ニホンウナギに絶滅の恐れはなく、EUの提案は科学的根拠を欠いていると主張した。
