訪日外国人が2ヵ月連続で300万人超えの中、その様子が度々話題になる。フランス出身のアマンディーヌさんは、5年前に日本人と結婚して日本で暮らす中、「外国人から見た日本の良さ！」をテーマに、日本とフランスの文化の違いをYouTubeチャンネル『ボンソワールTV』で配信している。初来日した母親が、日本のパン屋に衝撃を受けた動画の再生数は、300万回を超えるほど話題に。子どもの頃から日本好きだったというアマンディーヌさんに、日本とフランスの文化の違いを聞いた。
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◆フランスのパン屋とはぜんぜん違う 見た目の華やかさや種類の豊富さに驚いた
――フランスからお母様が来日し、日本のパン屋に驚いていました。クロワッサンといえば代表的なフランスのパンですが、そのクロワッサンを食べて「フランスを越えている」と、とても感動されていました。日本とフランスでは、どのように違うのでしょうか？
【アマンディーヌさん】 フランスのパン屋には、バゲットという細長いパンか、ぶ厚くて丸いカンパーニュくらいしか種類がないんです。でも、日本のパン屋は、惣菜パンやスイーツのようなパンなどいろいろあって、私が知っているフランスのパン屋とはぜんぜん違いました（笑）。
――明太子フランスを食べてお母様は、「フランスパンがフランスよりも美味しい」と驚いていました。また、メロンパンでは「日本のホイップクリームは革命」、りんごパイは「フランスで食べるより美味しい」と、日本のパン屋を気に入っていました。
【アマンディーヌさん】 フランスだとパンを買っても、お家でジャムを塗ったり、自分でサンドイッチを作らないといけないけれど、日本はそのまま簡単に食べられる味付きのパンが多く、便利だし、いろいろな調理パンが本当においしいです。おいしそうなパンがたくさん並んでいる見た目の華やかさと、種類の豊富さにも驚きました。それに、好きなパンを自分で選んで買えるのも、日本ならではだと思いました。
◆日本での1人旅行、知らない人が親切にしてくれたことが、いまでも一番心に残っている
――お母様が来日されて一番驚いたこと、感動したことを教えてください。
【アマンディーヌさん】 人の優しさですね。レストランで日本に初めて来たと話したら、これも食べてみてっていろいろ出してくれたり、迷子になったときにこちらから聞かなくても話しかけてきて助けてくれたり、何も頼まなくても一生懸命に世話してくれたり、日本旅行で期待していた以上のことを日本の人たちが提供してくれました。
母は日本での食事全部に感動していましたが、一番はお寿司ですね。フランスでは生魚は抵抗があって絶対に食べなかったんですけど、日本でお寿司を食べて、こんなにおいしいだって気づきました。フランスに帰ってからも、また日本のお寿司が食べたいってずっと言っています（笑）。
――フランスと日本の家庭での自炊の違いについて教えてください。
【アマンディーヌさん】 日本はスーパーで買い物をして自炊するのも、外食するのも同じくらいの金額です。フランスだと外食で手頃な値段なのはファーストフードしかありません。節約したい時や健康に良い栄養バランスの取れた食事をしようと思うと、自炊か金額が高い外食しかありません。外食の回数だと日本の方が多いと思います。ただ、フランスはスーパーの惣菜やテイクアウトの料理を、家で温めて食べるのも自炊と捉えています。料理をすべて最初から作る自炊は、日本の方が多いかもしれません。
――フランス料理のイメージがあり、手の込んだ料理を家庭でも食べるという印象があったので意外です。
【アマンディーヌさん】 いわゆるフランス料理は高級店で食べるもので、普段の食事ではありません。日本の料理はいい意味でシンプル、食材の味を楽しめておいしい。飲食店でも家庭的な印象の料理が多く、日本の食事はアットホームな懐かしさを感じます。
――アマンディーヌさんは、高校1年生の時に、語学留学をするために、来日し、ホームステイを経験しました。初めての日本で驚いたことや感動したことについて、教えてください。
【アマンディーヌさん】 高校生で初来日した当時は、武士や戦国時代が好きで、城巡りを楽しみました。1人で旅行をした時に、すごくたくさんの方々に話しかけていただきました。「こんなに若くて1人日本で何してるの？」と聞かれたり、おすすめの観光スポットとか食事場所を教えてくれたり、フランスではない体験で、みなさんにすごく親切にしてくれたことが、いまでも一番心に残っています。
（文／武井保之）
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