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進む学校教育のデジタル化。「授業や宿題で動画を見る」7割、「宿題をタブレットで提出」6割。

2025/09/11 11:00

  • 公益財団法人博報堂教育財団
  • 調査・アンケート
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博報堂教育財団 こども研究所が小4~中3に聞いたトピックス調査「令和の学校」結果を発表(第2弾)

2025年9月11日
公益財団法人博報堂教育財団 こども研究所

公益財団法人博報堂教育財団の調査研究機関:こども研究所では、全国の小学4年生~中学3年生を対象に、子どもをとりまくさまざまなトピックスについて、調査を実施しています。(一部項目は保護者にも聴取)

 

9月2日発表の「令和の学校」第1弾*に続き、今回は学校教育で進むデジタル化の様子や、それに対する子どもと保護者の意識の違いをご紹介します。子どもたちに、学校やクラスにあてはまるものを聞いたところ、「授業や宿題で動画を見ることがある」が7割、「宿題をタブレットで提出することがある」が6割など、学校教育においてデジタル化が着実に進んでいる様子がうかがえました。

 

また、デジタル化については子どもと保護者に意識差が見られました。学校で文章を書くとき「キーボード入力がいいか、手書きがいいか」を聞いた質問では、保護者の6割が「手書きがいい」としたのに対して、子どもは「キーボード入力」が4割で、「手書き」3割を上回りました。同様に、教科書について「デジタルがいいか、紙がいいか」を聞いた質問では、保護者は「紙」が6割で過半数となりましたが、子どもは「紙」と「デジタル」が拮抗する結果となりました。

*既報の第一弾リリースはこちら



【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509094875-O2-Y893bVMe

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509094875-O3-l7rgBhgK

 

 

 

「令和の学校」調査結果 (第2弾) のポイント

1.進む学校教育のデジタル化。「授業や宿題で動画を見ることがある」7割、「宿題をタブレットで提出することがある」「クラスの連絡がオンラインでくる」6割。

2.デジタル化について、子どもと保護者に意識差。学校で文章を書くとき、保護者は「手書きがいい」が過半数となる一方、子どもは「キーボード入力がいい」が優勢。教科書については、保護者は「紙」派が6割だが、子どもは「紙」派と「デジタル」派が拮抗。

3.いまの学校は「教室にエアコンがある」9割、「クラスの名簿が男女混合」「困ったとき、スクールカウンセラーに相談できる」がいずれも7割近く。一方、「教室の掃除は生徒がする」9割など変わらないことも。

 

 

 

「令和の学校」調査結果 (第2弾) 詳細

1.進む学校教育のデジタル化。「授業や宿題で動画を見ることがある」7割、「宿題をタブレットで提出することがある」「クラスの連絡がオンラインでくる」6割。

・いま通っている学校にあてはまるものを聞いたところ、 「授業や宿題で動画を見ることがある(68.7%)」、「宿題をタブレットで提出することがある(62.7%)」 「クラスの連絡がオンラインでくる(60.3%)」など、学校教育や学校生活においてデジタル化が着実に進んでいる様子がうかがえました。

・また、「プログラミングの授業がある/あった(50.3%)」「授業で生成AIを使ったことがある(20.4%)」と、新たなデジタルスキル習得に向けた授業の導入が進みつつあるようでした。

・小学生/中学生別で見ると、小学生は中学生より「教室にプロジェクターがあって、毎日使っている」が8.7pt高くなりました。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509094875-O8-6j00Zlgi

 

2.デジタル化について、子どもと保護者に意識差。学校で文章を書くとき、保護者は「手書きがいい」が過半数となる一方、子どもは「キーボード入力がいい」が優勢。教科書については、保護者は「紙」派が6割だが、子どもは「紙」派と「デジタル」派が拮抗。

・子どもと保護者に同じ項目で聞いた「学校への意見」で、デジタル関連の項目を見ると、保護者は「文章を書くときは、手書きがいい」が57.3%で過半数となったのに対して、子どもは「文章を書くときは、キーボード入力がいい」が43.8%で、「手書きがいい(30.8%)」を上回りました。

・また、保護者は「紙の教科書がいい」が60.7%で過半数となったのに対して、子どもは「紙の教科書がいい」が39.9%でしたが、「デジタルの教科書がいい」も34.8%でした。子どもは「紙」と「デジタル」が拮抗する結果となり、デジタル化に対する子どもと保護者の意識差が見られました。

・その他に、2つの項目で子どもと保護者の意見が逆転しました。「テストはあったほうがいい/ないほうがいい」の比較では、子どもは「ないほうがいい」のほうが高いのに対して、保護者は「あったほうがいい」のほうが高くなりました。また、「みんなと同じことを勉強したい/自分の好きなことを勉強したい」の比較では、子どもは「自分の好きなこと」のほうが高いのに対して、保護者は「みんなと同じこと」のほうが高くなりました。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509094875-O9-QGl3z8FT

 

3.いまの学校は「教室にエアコンがある」9割、「クラスの名簿が男女混合」「困ったとき、スクールカウンセラーに相談できる」がいずれも7割近く。一方、「教室の掃除は生徒がする」9割など変わらないことも。

・デジタル関連の他に、いま通っている学校についてあてはまるものを聞いた結果、「教室にエアコンがある(89.0%)」「クラスの名簿が男女混合(68.7%)」「先生は生徒を『さん』づけでよぶ(67.5%)」「困ったとき、スクールカウンセラーに相談できる(66.8%)」など、社会や環境の変化に伴ういまの学校の姿がうかがえる結果となりました。

・また、「【中学生のみ】制服は女子もスラックスを選べる(64.6%) 」「【小学生のみ】ランドセルの色は黒・赤以外の子が多い(63.9%) 」「クラスに、外国につながりのある子がいる(54.8%) 」 がいずれも半数を超えており、実態として学校やクラスの中で多様化が進んでいる様子が見えてきました。

・教員の働き改革の影響か、「運動会/体育祭は半日で終わる(69.7%)」「【中学生のみ】部活動が地域移行している(32.3%)」といった変化も進んでいるようです。

・一方、最もスコアが高かったのは「教室の掃除は生徒がする」で91.7%。生徒による教室掃除は、日本特有の学校文化とも言われますが、昭和の昔から変わらず、いまでも大多数の学校で実施されているようです。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509094875-O10-WIGN436H

調査結果に関する研究員コメント​

小中学校を訪れると、一見、自分の子ども時代と変わらない景色が広がっています。しかしよく見ると、時間割や教科書の内容、机の上に置かれたタブレットなど、ずいぶん変化していることに気づかされます。今回の調査結果で驚いたのが、「手書き」よりも「キーボード入力」を選んだ子どもが多かったこと。手書きには教育的な効果があると言われますが、たしかにキーボード入力なら、漢字を自動変換してくれるし、消しゴムを使わずに何度も書き直せるので、思考を止めずに文章を書けます。この文章をキーボード入力で書きながら、キーボード入力派の子どもたちの意見に思わず共感してしまいました。デジタル化はもう後戻りできません。大人の思惑はさておき、アナログからデジタルへと置き換わっていくこの令和の時代に、子どもたちがどんな学びを、どんな未来を選びとっていくのか、とても興味深く感じています。

(公益財団法人博報堂教育財団 こども研究所 上席研究員 福嶋由美)

 

 

トピックス調査「令和の学校」調査概要 

◆調査手法  :インターネット調査

◆調査エリア :全国

◆調査対象者 :小学4年生~中学3年生とその保護者 ※調査にあたっては事前に保護者の承諾を得て行っています。

◆サンプル数 : 有効回答数 子ども1,200人、保護者1,200人

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509094875-O7-9pz4jwE5

◆調査実施日 :2025年7月13日(日)

◆企画・分析 :公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所

◆実施・集計 :QO株式会社 

◆調査パネル :株式会社マクロミル

 

※本リリースでは小数第2位を四捨五入しているため、合計値は見た目の数値と異なる場合があリます

 

既報)2025年9月2日ニュースリリース

博報堂教育財団 こども研究所が小4~中3に聞いたトピックス調査「令和の学校」の結果を発表

小中学生の8割は「学校が好き」。それでも半数近くは「朝、学校に行きたくないと思うことがある」。

 

 

公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所について

【公益財団法人 博報堂教育財団】

博報堂教育財団は、児童に対する国語教育と視覚・聴覚障がい者に対する教育を助成し、あわせてその活動に関する調査研究を行うことで、健全な人間形成に寄与することを目的に、1970年に財団法人博報児童教育振興会として誕生いたしました。その後、2011年に公益認定を受け、2020年に現在の名称に変更しました。

設立から50年以上を経た今日では、「子ども・ことば・教育」を活動領域ととらえ、設立以来の事業である、児童教育の実践者を顕彰する「博報賞」をはじめ「児童教育実践についての研究助成」「教職育成奨学金」「海外の子どもたちとの日本語交流や日本語教育支援」「社会啓発事業」「調査研究事業」など、さまざまな活動を行なっています。

【公益財団法人 博報堂教育財団 こども研究所】

博報堂教育財団こども研究所は、弊財団の調査研究事業の一環で、2017年に設立されました。独自の調査や実験的な取り組みによって子どもの姿をありのままに捉え、子どもたちの可能性について新たな発見をし、それを社会と共有することで、子どもに対する見方やイメージの枠を広げていくことを目指しています。

こども研究所ホームページでは、調査研究の結果を広く公開しています。

https://kodomoken.hakuhodofoundation.or.jp/

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