「温かい福島弁」お茶の間に 「エール」方言指導・相樂孝仁さん
朝ドラ「エール」を支える本県出身者がいる。主演の窪田正孝さんらに福島弁を指導する須賀川市出身の俳優相樂孝仁(こうじん)さん(37)だ。台本段階でセリフを修正、撮影現場で違和感がないかチェックし、温かみのある福島弁をお茶の間に届けている。「エールを楽しみにしている福島の期待に応え、全国に福島の魅力を知ってもらいたい」と意気込んだ。
相樂さんは2006(平成18)年から芸能活動を始め、舞台を中心に活躍する。俳優業の傍ら映画や舞台で方言指導の実績もあり、朝ドラを任された。当初は祖父母や親戚をイメージして指導したが、次第に出演陣の作り込むキャラクターに合わせるようになった。俳優陣の福島弁を習得しようとする意欲は高く、「特に窪田さんの福島弁のうまさに驚いた」と舌を巻く。
震災と原発事故、台風被害に苦しむ古里を思う気持ちは強い。福島のために何かできないかと考えてきたが、ようやく朝ドラで役立つ機会を得た。「県外避難者や福島出身者に親しみある福島弁を届けることができれば」。コロナ禍で一時収録は中断されたが、6月から再開。相樂さんは福島への"エール"を胸に、撮影現場に臨んでいる。
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