一定以下の量、影響生じず

 

 脱毛や出血・下痢・やけど(紅斑)といった症状は、大量に被ばくすると誰であれ「必ず(確定的に)」生じる一方、被ばく量が一定以下であれば「誰にも」生じることはなく、「確定的影響」と呼ばれました。

 では、どうして大量の放射線を浴びると鼻血など、出血しやすくなるのでしょうか。

 人間は骨の中にある骨髄という場所で血液を作っています。大量の被ばくによって血液を作る細胞がダメージを受け、血液を作ることができなくなります。その際、血液の成分の一つである、血小板という血を止める糊も減ってしまい出血しやすくなるのです。

 ただ、これは数百ミリシーベルト以上の大量の被ばくをしたときに「初めて」起こりえる話です。原発事故後の放射線の影響によって、日常生活の中でわれわれが鼻血を出すことは100%ありません。被ばく量が一定以下であれば「誰にも」生じない、それが「確定的影響」です。