区別できないがんの原因

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 骨の中にある骨髄は血液を作る工場です。その工場の調子が悪くなり、正常な血液成分を作ることができなくなる状態を、白血病と呼びます。広島・長崎では、白血病に加え、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がんなどにより命を落とす方が残念ながら増えてしまったことが知られています。

 ただ、原爆による放射線を受けた方に発生したがんは、白血病も含めて、その全てが原爆のために起こったわけではありません。放射線を受けなかったとしても、一定の割合でわれわれはがんになるからです。

 しかし、現在の科学では、放射線で生じたがんと、他の原因で生じたがんとを明確に区別する方法はまだありません。つまり、もしがんになった方がいらっしゃった場合、その個人が放射線によってがんになったかは分かりません。その一方で、放射線を受けた方の中でがんになった方の人数が、放射線を受けていない場合よりも多いかどうかは調べることができる、ということになります。

 例えば、広島・長崎での結果では、ある程度以上の放射線を受けた約4万人のうち、40年間で約8千人に白血病以外のがんが見つかりました。この人数は、放射線を受けていない場合に予想される人数より800人ほど多いだろうと推定されています。