シーベルト、影響を数値化

 

 線香花火に例えると、火種が放射性物質、火花が放射線でした。そして、その火花を散らすことができる能力のことを放射能といいました。ベクレル(Bq)は放射線を出す力(単純には放射性物質の量)の単位、シーベルト(Sv)は人体への影響の大きさの単位です。

 シーベルトは、一つの数字で放射線による身体への影響を表現できるように作られた単位です。

 人に影響を与えるのは、放射性物質そのものではなく、放射性物質から放出されて、私たちに飛んでくる放射線です。人工と天然の放射性物質がこの世には存在しますが、つまるところ、そこから出るアルファ線、ベータ線、ガンマ線といった放射線が私たちに影響を与えます。

 主に食品に含まれる天然の放射性物質である放射性カリウムから私たちが年間に受ける放射線量は0.18ミリシーベルトであるのに対し、2018年に行われた調査では、食品に含まれるかもしれない放射性セシウムから私たちが年間に受ける放射線量は0.001ミリシーベルト前後でした。

 このように、シーベルトという単位を使うことによって、人工だろうと天然だろうと、同じ土俵で放射線による人への影響を「量」として表現することができるのです。