「また来ん春と人は云(い)ふ しかし私は辛(つら)いのだ 春が来たつて何になろ あの子が返つて来るぢやない」。中原中也の詩「また来ん春……」は、2歳の長男文也を失った悲しみに満ちている ▼文也のことがいとおしくて仕方なかったのだろう。ゾウを見ても、鳥を見ても「猫(にやあ)」と言う動物園での光景を思い出しながら、詩をこう結ぶ。「ほんにおまへもあの時は 此(こ)の世の光のたゞ中に 立つて...
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