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直川貴博アナウンサー、福島から羽ばたく 31日に中テレ退社、フリーに

2025/03/30 08:15

  • 動画付き
「誰かの『生きやすさ』につながる仕事がしたいと思ってアナウンサーになりました」と話す直川アナ
入社した2017年、イベント会場からリポートをする直川アナ

 親しみやすいキャラクターで人気を集める、福島中央テレビ(中テレ)の直川(のうがわ)貴博アナウンサーが今月末で同局を退社し、4月からフリーアナウンサーとして活動する。8年間過ごした福島を離れ、新しい道へ進む直川アナに、自分らしさをアピールすることや福島への思いなどを聞いた。

 ―アナウンサーを目指したきっかけは。
 「子どもの頃から目立つことが好きでテレビの世界に憧れていました。大学時代にテレビで見たマツコ・デラックスさんの言葉に感銘を受け、自分も誰かの『生きやすさ』につながる発信をしたいと思い、アナウンサーを目指すことを決意しました」

 ―アナウンサーとしてキャリアを重ねながら、少しずつ自分らしさを発信していった。
 「自分の個性が出るようにディレクターが台本や演出を考えてくれたり、全国放送の番組に出るときも、スタッフが私のキャラクターを担当者に売り込んでくれたりと、会社が応援してくれました」

 ―「自分」を出せるようになって楽になりましたか。
 「個性を出すということは、自由を手にする感覚がある一方、失うものもあるというか、犠牲にしないといけないものもあるんだと思いました。個性を出すことが、必ずしも生きやすさにつながるものではないと思います」

 ―かえってつらくなる人もいる。
 「そうなんです。だから、個人の判断になると思いますが、例えばAグループでは出せなくても、プライベートで付き合っているBグループでは自分らしさを発散できるとか、どこかに本当の自分を認めてくれるコミュニティーがあると、自分のお守りみたいになっていいのかなと思います」

 ―フリーになる決断をしたきっかけは。
 「誰かの『生きやすさ』につながる仕事がしたいと思ってアナウンサーになったものの、私のキャラクターだけで『個性っていいよね』と言うのは、押し売りになっているのではないかと疑問に思ったんです。これまで自分の経験則でしか伝えられなかったので、もう少し視野を広げて成長するために、一度外に出て勉強したいと思いました」

 ―これからはどんな活動をしていきたいですか。
 「”局アナ”という看板がなくなるので、例えばラジオなどメディアを問わず活動したいです。動画の配信も続けたいです」

 ―直川さんにとって福島県はどんな場所ですか。
 「福島に育ててもらったという恩を感じています。いい意味で世話焼きで、あったかい県民性が大好きです。そんな県民の皆さんが、私にとっては何よりも大切な存在です。育ててもらった恩返しができるように頑張ることが、今後の一番の目標です。住む場所が変わっても、福島県人としての意識は今後も変わりません。震災と原発事故に関しては、これからも伝え続けたい、教えてもらい続けたいと思っています。『被災地』という言葉がなくなるまで見届けたいです」

 「ゴジてれ」あす卒業

 直川アナの最後の出演となる31日の「ゴジてれChu!」(中テレ・午後3時50分~)では、自身の思い入れのある場所からの中継を行います。サイコロゲームにも参加し、お天気コーナーでは卒業企画と最後のあいさつもお届けします。

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