浜通りを拠点に10月から始動する参加型芸術イベント「Happy Island(ハッピーアイランド)浜通りアーツ2026」では、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から15年の節目に合わせてオブジェなどの作品制作に取り組む。実行委員長を務める東日本国際大総長の吉村作治さんは「浜通りで新たなものを創造し、復興の手伝いをさせてもらいたい」と思いを語る。
同イベントは、古代エジプト考古学研究の第一人者の吉村さんと人気バンド「米米CLUB」のボーカルでアーティストの石井竜也さんがタッグを組んで取り組む芸術事業。浜通りの若手経営者らでつくる広域連携団体「HAMADOORI13(浜通りサーティーン)」が協力する。
吉村さんと石井さんは約30年前にラジオで共演し、交友を深めてきた。石井さんは震災で茨城県北茨城市の実家が被災したことや母の故郷がいわき市という縁もあり、吉村さんの復興への思いに共感して、タッグが実現した。吉村さんは「古代エジプトも災害のまちで、ナイル川が氾濫するたびに諦めずに復興させてきた」と強調。「浜通りアーツを通して新たな活力につなげたい」と意気込む。石井さんは「いわきの景色が思い出に残っている。福島のために尽力したい」と語る。
浜通りアーツでは「未来へと夢を紡ぐ」をテーマに10月から参加者を募った上で来年8月に大規模イベントを開き、オブジェやモザイクアート、楽曲などを制作する。作品は浜通りの道の駅に加え、東京、大阪など大都市でも展示する予定。