遺伝的な影響確認されず

 

 県民健康調査の一つである「妊産婦に関する調査」は、妊産婦さんのこころや身体の健康状態を把握すること、その中でケアが必要な方をサポートすること、そして今後の県内の産科・周産期医療の充実につなげていくことを目的としています。

 この調査では、一度妊産婦さんの健康状態をお伺いした後、そのフォローアップとして出産からおおよそ4年目に当たる時期に、もう一度健康状態をお伺いし、支援が必要な方には電話支援が行われました。

 その中で放射線の影響に関して心配なことをお伺いしています。その結果からは、子どもの健康、食品、水、子どもの外遊びに不安を感じる保護者の方は少なくなっています。その一方で、偏見および遺伝的な影響に対する不安は横ばい傾向であったことが分かっています。

 これまで何度かご紹介しているように、広島・長崎からのデータや、放射線治療に伴うデータ、チェルノブイリからのデータなど、そもそも、人間では被ばくの影響が遺伝することは確認されていません。

 加えて国連の報告書などから推定される被ばく量は低く、現在のわれわれにすら放射線被ばくによる影響の可能性は低いと報告しています。このような知見から、今回の原発事故による将来への遺伝的な影響についても、それを危惧する状況には全くありません。