全ての物質は目に見えない小さな「陽子・中性子・電子」の粒がそれぞれ何個かずつ集まってできています。セシウム134や137など、物質の後ろに付いている数字は、陽子と中性子の粒の個数の合計でした。これらの個数のバランスが悪いとその物質は不安定になり、余分なエネルギーを外に放出したり、電子を一つはじき出したりします。これを放射線と呼びました。
そして、セシウムやウランといった物質の名前は陽子の個数だけで決まりました。セシウムと名が付くものは必ず陽子55個からできています。
するとそこに集まる中性子の個数がいくつかによって、さまざまな「セシウム」が存在します。例えば中性子の個数が60個や90個であれば、セシウム115とかセシウム145と呼ばれます。われわれの生活上重要なセシウム134と137と同じく、個数のバランスが悪いため放射線を出します。
それに対して、中性子の個数が78個のとき、陽子とのバランスが良く、そのセシウムは安定で放射線を出すことはありません。55と78を足して、セシウム133と呼ばれます。このように中性子の個数によって数十種類のセシウムがこの世には存在するのです。