原発事故によって飛び散った放射性物質の一部は、周りの山および森林に降下しました。山の樹木に付着したセシウムは、雨などにより、時間とともに森林の土の表面や、落ち葉へと移行していきました。事故から8年以上がたった現在では、大部分のセシウムは土の中に移行しています。
セシウムは泥と強固にくっつく性質があります。そのため、セシウムは土に強く固定されてしまい、水の中にはほとんど溶け出すことがありません。
セシウムが森林から下流の方向へ流れ出るのは、あるとしても、ほぼ大雨の時に限られます。しかもこれまでの調査では、森林の土から川の流れに沿って下流へと流れ出るセシウムは非常に少なく、1年間でも流域の土に沈着した量の5千分の1から、300分の1程度であることが知られています。
たとえセシウムが土とともに山から流れ出たとしても、セシウムがくっつく泥とともに浄水処理によって除去されます。そしてその後、水道水中のセシウムは検査がなされ、安全が確認されているのです。