病院などの医療機関では胸やおなかの写真を撮る際、エックス線が用いられます。エックス線はガンマ線と同じ性質を持つ放射線です。
レントゲン検査やCT検査は、撮影したその瞬間の画像を撮る検査です。その一方で、放射線を連続的に用いて、身体の中の様子をリアルタイムの動画として見られるエックス線透視検査というものもあります。
例えば、バリウムを飲んでいただき、食道や胃・十二指腸の状態を見ながら、タイミングの良いところで画像も撮影する検査や、心筋梗塞や狭心症といった状態を見るために、心臓の血管を見る心臓カテーテル検査もこのような検査の一種です。肝臓や胆のうの管に石や悪いものがないかを確認するために、特殊な胃カメラから、造影剤を流して観察するといった検査もあります。
このような動画を撮影する場合は、一枚の画像を撮影するのみの場合に比べると、連続的に放射線を用いるため、受ける放射線の量は一般的に少し多くなります。
検査の時間や方法にもよりますので、一概には言えませんが、大ざっぱには、胃のバリウム検査での放射線の量は、胸のレントゲン検査の放射線の量より1桁大きいぐらいになります。だからといって、その量が身体にとって有害な放射線の量では全くありません。