高レベル放射性廃棄物は、使用済みの燃料を処理する際に生じるものです。使用済み燃料から、再利用可能なウランやプルトニウムを取り除き、残った放射能レベルの高い廃液を、高温のガラスと混ぜて固体化したもののことを呼びます。
これまで、日本は国内の原子力発電所で発生した使用済み燃料の再処理を、フランスやイギリスに頼っていました。国外でガラス固化体にしたものを、日本に戻し、それを青森県の六ケ所村で冷却のために一時貯蔵しています。
ガラス固化体はさまざまな処理をされた後のもので、爆発したり、臨界状態になったりとはなりませんが、数万年以上の非常に長期間の保存が必要になります。ですが、数万年以上も人工の建物が維持できるのかどうかなど誰も分かりません。
処分方法として、宇宙まで持っていって廃棄する宇宙処分や、海洋底処分、氷山の奥に埋める氷床処分などが検討されました。しかし、それぞれ、宇宙への発射技術などの問題が指摘され、ロンドン条約、南極条約で禁止されています。
そのため、現在は300メートル以上の深い地層が持つ物質を閉じ込めるという性質を利用した「地層処分」が人間による管理を必要としない現実的な方法であるというのが、国際的に共通した考え方となっています。