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チェルノブイリ事故、察知

08/17 11:45

 高レベル放射性廃棄物は数万年以上の長期保存が必要なため、地下深い場所での「地層処分」が現実的だと考えられています。日本では地層処分する場所は決まっておらず、この場所をどうするかという問題は、全世界で共通です。そんな中、スウェーデンやフィンランドは世界的に見てこの問題について進んでおり、最終処分地に相当する場所が既に決定しています。

 スウェーデンの建設予定地は、フォルスマルクという首都ストックホルムから北に120キロ行ったところにあります。その場所にはもともと3基の原子炉を擁する原子力発電所があり、その敷地の横に処分地が建設されます。

 このフォルスマルク原発は、チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故を西側諸国として最初に察知した場所として有名です。チョルノービリ原発事故から2日後の1986年4月28日(月曜日)の朝、職員の衣類や靴から汚染が見つかったことがきっかけとなりました。当初、この汚染はフォルスマルク原発自体からの放射能漏れや、核兵器の使用が原因と考えられました。しかし確認の後、すぐにそれらは否定され、風向きなどの情報からチョルノービリで何かが起こった可能性が指摘されます。

 28日中にはスウェーデン政府が当時のソ連政府と接触し、ソ連内での原発事故の発生の有無を問い合わせます。当初、ソ連政府は回答で事故を否定しましたが、スウェーデン側から国際原子力機関(IAEA)に事態を報告する意向が伝えられると、一転してチョルノービリで事故が発生した事実を認めたのでした。

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