万葉の歌人、柿本人麻呂は無限の夜空を詠んだ。<天(あめ)の海に雲の波立ち月の船星の林に漕(こ)ぎ隠る見ゆ>。船の形に似た三日月の頃だろうか。静かで穏やかな天空の営みを一幅の名画のように描いた ▼フランスの哲学者アランは「幸福論」に記す。ふさぎ込んでいる人は「遠くに目をやろう」と。人間の目ははるか遠くを見つめると安らぐという。手元のスマホにくぎ付けの現代人は自然の恵みに気づきにくい ▼大みそ...
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