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窃盗被害に負けない…白河の農家・朝見さん、13日からブドウ直売会開催

2025/09/11 08:45

ブドウの窃盗被害に負けず、直売会を企画した朝見さん。「みんなに食べてもらいたい」と願う=白河市

 白河市本沼地区の果樹畑に色づいたブドウがたわわに実る。果樹畑を営むアサミ葡萄(ぶどう)園代表の朝見恭之(やすゆき)さん(34)は、収穫を心待ちにしていたところ、今月上旬にブドウの窃盗被害に遭った。「本当に悔しい」。逆境をはね返し、再起を期す朝見さん。丹精して育てたブドウを多くの人たちに味わってもらおうと、13~15日に市内で初めて直売会を開く。

 異変に気付いたのは5日早朝。畑の一角でブドウの枝がはさみのような刃物で切られた痕跡を見つけた。収穫目前の品種「ふじみのり」約700房(約400キロ)が盗まれており、被害総額は約80万円に上った。

 出身は広島県。2015年に白河市へ移住し、20年にブドウ農家として独立した。生産の安定化に向けて軌道に乗り始めた中で起きた心ない行為に、怒りを隠せない。昨年も窃盗被害に遭っており、繰り返された事件に落胆は大きかった。

 だが、泣き寝入りはしたくなかった。「何もしなければ変わらない。自分が名乗り出ることで、窃盗被害があったことを知ってもらい、みんなの防犯意識が高まれば」。消費者と直接触れ合う場をつくろうと直売会の開催を決意した。

 今年の出来栄えは「非常にいい」と太鼓判を押す。「実が大きく、着色も良い。例年より糖度も高い。みんなに食べてもらいたい」と朝見さん。悔しさを乗り越え、手塩にかけた秋の味覚を多くの人たちに届ける。

 直売会は13~15日、白河市大観音前の県道母畑白河線沿いで開かれる。時間は午前9時~午後3時。問い合わせはアサミ葡萄園のインスタグラム(@asamibudouen)へ。

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