星新一の掌編「ボッコちゃん」は、あるバーに立つ精巧な女性型ロボットが主人公だ。会話は相手の言葉の語尾を変えた受け答え程度で、「映画へでも行こう」と誘えば、「映画へでも行きましょうか」といった具合。それでも、人間と疑わない客の人気を集めた ▼熱を上げた青年が、ボッコちゃんの煮え切らない態度にとうとう「殺してやろうか」と言い放つ。返ってきた言葉は「殺してちょうだい」。それならと毒を飲ませるが、機械な...
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