東北農政局は2日、農山漁村のむらづくりの優良事例を表彰する「豊かなむらづくり全国表彰」で、堀越集落(福島県田村市)が農林水産大臣賞を受賞したと発表した。
堀越集落は、生産組合の構成員の高齢化や担い手不足による遊休農地の増加といった課題を解決するため、2017年に集落全体の合意で農家以外の住民も参加する「一般社団法人ほりこし創生会」と、農産物の生産や加工、販売を担う農業生産法人の「ほりこしフォーライフ」を設立。両法人による「2階建て方式」で役割分担を行い、地域の課題解決に取り組んでいる。
ほりこし創生会は、農家以外を含む地区の全戸が会員で、農地の利用調整をはじめ、各行政区や老人会などと協力して農道や水路の環境保全活動を行い、農村環境の維持に努めている。
ほりこしフォーライフは地区の水田約6割を借り受けて中心的な担い手として営農に従事。遊休化した畑への牧草栽培を受託するなど、遊休農地の解消に励んでいる。地元産コメを原料にした調味料の販売や、次世代の担い手育成に向けた世代間交流に取り組み、地域農業を支える重要な役割を担っている。
堀越集落は、24年度の「豊かなむらづくり顕彰」(県、福島民友新聞社主催)で知事賞と福島民友新聞社長賞を受賞し、全国表彰に推薦されていた。表彰式は11月11日、仙台市の仙台合同庁舎で行われる。