民間シンクタンクのとうほう地域総合研究所が15日発表した喜多方市の観光に関する調査で、同市への訪問経験がない人のうち「蔵のまち」であることを「知らない」との回答は58.6%で、6割近くに上った。喜多方ラーメンの「日本三大ラーメン」としての認知度は7割に達しているものの、研究所は「観光振興へ改善の余地は大きい」と分析している。
研究所によると、同市は年間約180万人の観光客が訪れるが、滞在時間の短さが課題とされている。調査は5月2~6日、首都圏の居住者を対象に実施。同市への訪問経験がある555人と、訪問したことがない519人から回答を得た。同市を訪問した人の中では、「日中線記念館」や「日中線しだれ桜並木」は訪れる傾向が少ないが満足度が高かった。一方、訪問割合が高い「蔵の町並み」や「酒蔵」では満足度が低調。このほか、土壁や屋根瓦を備える蔵を宿泊施設として活用することを尋ねた設問では、訪問の有無にかかわらず肯定的な回答が多数を占めた。
研究所は「市を代表する観光資源を有効活用し、周遊して滞在時間を増やす仕組みづくりや満足度向上に優先的に取り組むことが効果的だ」としている。