浅川町出身のがん研究者吉田富三の偉業を記念した「吉田富三賞」の第34回受賞者に、星薬科大学長の牛島俊和氏(63)が選ばれた。
牛島氏は神奈川県出身。東京大医学部卒。受賞タイトルは「Helicobacter pylori(ヘリコバクター・ピロリ)によるDNAメチル化異常誘発の解明とその胃がんリスク診断への応用」。
牛島氏は胃がんの発がん過程で、「メチル化」というDNAに生じる異常に着目し、その発生を検知するための手法を開発した。また、がんになっていない胃粘膜にもメチル化したDNAが存在すると突き止め、メチル化の程度を測定することで胃がんリスクの高精度な診断ができると実証し、がん個別化医療の進展に貢献した点が評価された。
吉田富三賞は、がん研究者の功績をたたえて研究の振興を図る目的で、日本癌(がん)学会と浅川町吉田富三顕彰会が設けている。