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福島県内経済「緩やかに持ち直し」 10月情勢、3年ぶり上方修正

2025/11/07 07:00

 福島財務事務所が6日発表した10月の県内経済情勢は総括判断を「緩やかに持ち直しつつある」とし、2022年10月以来、12期3年ぶりに上方修正した。個人消費の中で最も規模の大きい百貨店・スーパーの販売額が伸びたことなどが要因。節約志向が続く中でもメリハリをつけた消費の動向が見え始めているという。

 項目別では個人消費の判断を上方修正した。百貨店・スーパーやドラッグストアの販売額(6~8月)は飲食料品が好調で、前年を上回った。猛暑の影響で熱中症対策関連の商品やそうめん、スイカなどの盛夏商品も売れ行きが良かった。衣料品は必要な物のみを購入する傾向がある一方、欲しい物は価格にかかわらずメリハリをつけて購入している様子が見られた。家族の好みに応じて数種類のシャンプーを購入する客が増えるなど、節約にこだわらない消費の動きも出てきたという。同事務所の前沢浩所長は「物価高が続き消費者にある程度『慣れ』が出てきたのかも知れないが、それで全て解決するわけではない。今後の動きを注視していく」としている。

 項目別のうち、生産活動と雇用情勢については判断を維持した。生産活動は電子部品・デバイスでデータセンター向けが好調で、緩やかに持ち直しつつある。

 前沢氏は先行きについて「雇用環境の改善や、政府の『骨太方針』など各種政策の効果もあり、景気が持ち直しに向かうことが期待される」とする一方「物価上昇の継続や米国の通商政策による海外経済の影響に十分注意する必要がある」と述べた。

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