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東邦銀行が過去最高益 中間決算、銀行単体で

2025/11/08 08:40

 東邦銀行が7日発表した2025年9月中間連結決算は、貸出金や円建て有価証券残高を着実に積み上げたほか、日銀の政策金利引き上げで利回りが改善した影響で、純利益は62億7100万円(前年同期比37.1%増)となった。銀行単体での純利益は65億9600万円(同36.2%増)で過去最高益だった。

 連結の売上高に当たる経常収益は445億6900万円(同36.1%増)、経常利益は91億3100万円(同33.7%増)で、2年連続の増収増益。賃上げによる人件費や新システム移行後のIT関連費用の経費が膨らんだ一方、野村証券との業務提携による預かり資産収益が好調で、法人手数料も堅調に推移した。

 銀行単体の総預金は6兆1205億円(同1.0%減)。預かり資産は野村証券との業務提携による新たな仲介口座の残高を計上し、1兆1613億円(同約2.3倍)だった。貸出金は事業性貸し出しが増加し、4兆1561億円(同9.5%増)で過去最高となった。有価証券は国債を中心に積み上げ、1兆3121億円(同33.4%増)を計上した。

 本業の利益を示す銀行単体のコア業務純益(投資信託解約損益を除く)は92億300万円(同43.5%増)。連結の自己資本比率は前年同期より1.13ポイント上昇し11.06%だった。

 中間配当は1株当たり7円に増配した。期末配当の予想は7円とし、年間では過去最高となる14円となる見込み。

 福島市の本店で記者会見した佐藤稔頭取は、県内で活発化する設備投資の動きについて「結果的に生産能力が上がり、賃金引き上げで消費が動くことが期待される。当行も全力でお手伝いしていきたい」と述べた。

 業績予想を上方修正

 東邦銀行は2026年3月期の連結業績予想を上方修正した。純利益は93億円(前回予想比16.3%増)を見込む。

 銀行単体で資金利益や有価証券関係損益が当初予想を上回る見込みとなったため。

 経常収益は882億円(同2.9%増)、経常利益は134億円(同15.5%増)に修正した。

 株主還元を強化、配当性向40%に

 東邦銀行は7日、2027年3月期以降の株主還元方針について、純利益に対する配当性向の目安を現行の30%から40%に引き上げると発表した。

 昨年度に長期経営計画を超える利益を達成したことや、本年度の通期業績予想を上方修正したことから、株主への利益還元を一層強化する。現行の安定配当を6円を基本とする方針も変更し、利益成長に応じて弾力的な還元を行う。

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