• X
  • facebook
  • line

算数・数学は6~7割が前年より学力向上 県教委テスト、全国平均下回る状況変わらず

2025/11/08 08:00

 県教委は7日、県内公立の小学4年~中学2年を対象に本年度実施した独自テスト「ふくしま学力調査」の県全体の結果を公表した。

 前年度も調査を受けた小学5年~中学2年のうち、国語では約5~6割、算数・数学は約6~7割の児童生徒がこの1年間で学力を伸ばす結果となった。ただ前年度の同学年と比較すると、算数・数学は全学年で横ばいだった一方、国語は小学6年と中学1年で学力レベルが低下。全国学力・学習状況調査では両教科とも全国平均を下回る状況は変わっておらず、県教委は改善に向けた取り組みを急ぐ方針だ。

全体的に伸び確認

 前年度から学力が伸びた児童生徒の割合と、県全体の平均正答率は【表】の通り。調査では、問題の難易度を各学年でそれぞれ21段階に分けて数値化し「どれくらい難しい問題を解く力があるか」で学力の伸びや学力のレベルを判断した。前年度調査から学力が伸びた児童生徒の割合が最も高かったのは国語が小学5年の66.9%、算数・数学は小学6年の72.3%だった。

 県全体の傾向では、国語は全学年で上位水準の難しい問題に正答できた児童生徒の割合が少なく、中位水準にとどまる割合が大きかった。算数・数学では、前年度に比べて全学年で上位水準の問題に正答した児童生徒の割合が増え、下位の割合が小さい傾向が見られるなど、全体的に学力の伸びを確認できた。

 県教委は調査結果を踏まえ、国語では授業を通して「何ができるようになるのか」を児童生徒と共有すること、算数・数学では早い段階でつまずきを解消できるようにすることが重要と分析。効果的な取り組みなどを参考に、授業の改善を伴走支援する指導主事の派遣回数を増やしたり、学力向上支援アドバイザーを増員したりしており、これらを通して学校現場を後押ししたい考えだ。

 ふくしま学力調査は2019年度に始まり、今回で6度目。児童生徒の学力の伸びや、学習意欲の変化などを把握することを目的としている。調査は4月23日~5月9日に実施し、小学校381校計4万778人、中学校211校計2万5164人が受けた。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line