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作曲家・弦哲也さん音楽生活60周年 全国巡り新人歌手発掘したい

2025/11/16 09:50

「今でも県内を訪れるとあちこちで声をかけてもらえる」と話す弦哲也

 テレビ番組「弦哲也のFTVカラオケグランプリ」(福島テレビ)の審査委員長として知られる作曲家の弦哲也さん(78)が、今年音楽生活60周年を迎えた。8月に発表した記念曲「小樽北運河」では歌手として歌声を披露するなど、意欲的に音楽活動を展開している弦さんが、福島民友新聞社の取材に本県への思いや今後の活動などについて語った。

 「天城越え」など多くの名曲を生み作曲家として活躍していた弦さんだが、県内では、ゴールデンタイムに放送されたローカル番組、カラオケグランプリに出演したことで知名度が一気に高まった。「今でも県内を訪れると、あちこちで声をかけてもらえる」と顔をほころばせる。

 出身は千葉県銚子市。幼い頃から歌が好きで、祖母から贈られたギターを抱え、中学3年の時に歌手を志して上京した。

 無事にデビューしたものの、最初は思うように売れず、厳しい時代を過ごす。会津坂下町出身の演歌歌手、春日八郎さんの前座を3年ほど務めたこともある。

 デビューから10年たった頃、先輩歌手の北島三郎さんに「歌手以外の道もある」とアドバイスを受け、歌手から作曲家に転向した。「北の旅人」などヒット曲を連発したが、心の中には「歌うことが好きだ」という思いを抱き続けていたという。

 60周年記念曲「小樽北運河」は、自身の息子で音楽家の田村武也さんが作詞・作曲を手がけた。息子に「やりたいようにやればいい」と背中を押されたことで、弦さんは「素直に歌に向き合うことができた」と振り返る。

 カラオケグランプリの経験生かす

 今後は演歌や歌謡曲を次世代につないでいこうと、新人歌手の発掘や育成に取り組んでいく予定。カラオケグランプリでの経験から「自分の足で歩き、自分の耳で聞くことが大事」と考え、自ら全国を巡るという。「こうして福島を再度訪れたことで、番組で県内を訪れていた日々を思い出し、気持ちを新たにできた」と、意欲を見せた。

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