いわき市のJRいわき駅前を象徴するモニュメントがまた一つ姿を消す。市制施行25周年を記念して駅前大通り沿いの歩道に設置された「じゃんがらからくり時計」の撤去工事が4日、始まった。「1点もの」の部品が多く、維持、補修が難しくなり、市は撤去を決めた。
新盆の家を供養のために訪問する市の伝統芸能「じゃんがら念仏踊り」をテーマにした時計で、1992年に整備された。太鼓や鐘を持った8体の人形が2時間に1回、3分間のみ姿を現して演奏する仕掛けで、駅前に憩いの時間を届けていた。
市によると、設置から30年が過ぎ、今後も維持するためには解体して全てを組み立てる「オーバーホール」が必要と判断された。作業には多額の費用が必要で解体が決まった。
この日は足場が組み立てられ、年内には撤去が完了する。時計の目の前でレストランやゲストハウスを運営する女性(55)は「からくり時計を眺める人もいて(時計が)なくなることは寂しい」という。一方、地元商店街とともに時計内の人形の保管、活用を予定しており「日常的に『じゃんがら』を感じる仕掛けをつくっていく」と話した。
