• X
  • facebook
  • line

高齢者の避難生活支援を強化 在宅、車中泊もケア対象

2025/10/03 18:26

 厚生労働省は、高齢者や障害のある人ら災害弱者の避難生活支援を強化する。介護福祉士ら専門職でつくる都道府県の「災害派遣福祉チーム」(DWAT)の活動に関するガイドライン(指針)を改定。ケアの対象を避難所だけではなく、車中泊や在宅避難の人に広げた。避難所中心の「場所の支援」から「人の支援」へ転換する。迅速に被災地へ入るため災害発生から72時間以内に派遣を調整し、心身の状態悪化や災害関連死の防止につなげる。

 大規模災害が発生した場合、被災自治体の手が回らないと想定し、厚労省が代わりに他の都道府県に対してDWATの派遣を要請できる規定も設けた。DWATを担う専門職の不足が課題で、自治体や福祉施設を退職した職員に加入を促すことも盛り込んだ。

 集団生活への不安などから避難所に行けず在宅避難や車中泊をする人は少なくない。昨年発生した能登半島地震では避難が長期化し、避難所以外を含めて関連死が相次いだ。これを教訓に福祉面での支援を掲げた改正災害救助法などが今年成立。6月に指針を改め、都道府県などに体制の構築を求めた。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line